カラマツ染めを開発しよう3

カラマツ染めを開発しよう3
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こんにちは!ワクです。

いい陽気が続いてますね。ワクワクしてますか?

こうして繋がれることに感謝です。ありがとうございます。

今回はカラマツ染め開発のお話の続き。

前々回前回の記事はこちら。

前回はカラマツ染めを誰もやっていないのなら、自分がやってみようというところまで話しました。

まずはカラマツの樹皮を集めるところから始めました。

これは村の面積の87%が山林である朝日村なので、簡単に大量に手に入りました。

集めた樹皮を細かく砕いて煮出します。

煮出した液体がカラマツ染めの染料になります。

カラマツの樹皮を細かく砕いて鍋に入れていきます。
煮出した染料は茶色です。

草木染めは前に説明したとおり、金属の力を借りて発色を良くします。

媒染です。

アルミ媒染と鉄媒染の2種類を試してみることにしました。

アルミ媒染は基本的に明るめの色に発色します。

鉄媒染は黒っぽい色に発色します。

植物によってアルミ媒染がいいものと、鉄媒染がいいもの、他にも銅媒染の色がいいものとわかれます。

どの媒染でも染める人が納得すればそれでOKだと僕は思っています。

カラマツ染めの色も何種類あってもいいと思いますが、僕としては「カラマツ染めといえばこの色!」という色味を出したかったので、色味は一本に絞ろうと考えていました。

できた染料と媒染液を用意して交互に何度も生地を入れて染めていきます。

納得のいく色味になるまで何度も何度も繰り返します。

アルミ媒染のカラマツ染めは想像通りの色でした。

茶色とカーキの中間くらいの色でしょうか。

この色もいいですが、僕の求める色ではありませんでした。

この色に近い他の植物の草木染めも存在しているので、その点も面白くないなと思いました。

アルミ媒染のカラマツ染め。

次に鉄媒染です。

鉄媒染はグレーと黒の中間色のような色味が出ました。

その色味はとてもきれいで落ち着いた色でした。

赤や青、黄色などの鮮やかさはないですが、とても優しい色だと思いました。

僕はこの色を「カラマツ染め」として出そうと決めました。

優しい風合いの鉄媒染のカラマツ染め。

型を作り、型抜きをして自分の作品として製作していきました。

最初は朝日村の新たな特産品として認知してもらうために、役場の職員さんに着てもらうポロシャツを作りました。

朝日村のPRとしてイベントなどで着てもらいました。

そこで問題が発生しました。

「このポロシャツチクチクするね。」とある職員さんに言われたのです。

その後、数人の職員さんにも同じように言われました。

そこで、染めたポロシャツをよく見てみると、繊維の間にカラマツの棘が入り込んでいました。

カラマツの樹皮を煮出した時に染料となる液体は残し、樹皮は捨てます。

その時に濾しますが、カラマツの棘はとても細かく、生地の繊維に入り込んでしまうことがわかりました。

昔の人がカラマツ染めをやらない理由がそこにありました。

この細かい棘が生地に入り込まないようにするには、何度も何度も濾して棘を取り除く必要があります。

その手間を考えたら割に合わないのです。

だけど、僕はこのカラマツの色味がとても好きになっていました。

手間をかけて丁寧に染めていこう。

このカラマツ染めを良いと言ってくれる人は必ずいる。

その想いでカラマツ染めを初めて4年、今も手間暇かけてカラマツ染めをやり続けることをしています。

今では「カラマツ染めが好き」と言ってくれるお客さんもいます。

染めやmitoの作品の中でも主力となっています。

優しい風合いの「カラマツ染め」。

草木染めの楽しさがここにあります。

今回はこの辺で。

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